特許庁:2024年1月より、異議・取消/無効審判手続に係る書類のオンライン申請導入

[Newsletter vol. 189]

特許庁によれば、無効審判請求書や異議申立書等のこれまで電子申請ができなかった申請書類について、来年1月から、インターネット出願ソフトの新たな機能により提出することが可能となります(以下、電子特殊申請)。

 電子特殊申請で提出する場合、副本の提出は不要となり、特許庁は、送付先の相手方当事者に事前に「承諾」を得た上で、電磁的方法(PDFファイルを記録したDVD-R)で送付する運用となります。


1.電子特殊申請の対象となる商標の審判事件等

※ マドプロ以外の拒絶査定不服審判請求書等を電子特殊申請で提出した場合は、却下処分の対象となります。

※ 令和5年12月末までに無効審判請求書や異議申立書等が提出されている事件の場合、令和6年1月以降、審判事件答弁書、訂正請求書、審判事件弁駁書等を電子特殊申請で提出することは可能。


2.審判関連書類の電子特殊申請による提出方法

(1)提出方法

「送付票」(XML)、「申請書類」(PDF)、「添付書類(例.甲号証、委任状)」(PDF)を一式としてオンライ

ンで特許庁に送信

特許庁ウェブサイトより画像引用

※ 1つの送付票で提出できる申請書類は 1つのみ。複数の申請書類を提出した場合、送付票に記載されていない申請書類は却下処分の対象となります。

   (2) 電子特殊申請で提出する場合、「副本」の提出は不要となります。
   (3) 申請書類・添付書類のPDFファイル
  • 電子特殊申請で特許庁に提出された申請書類、添付書類のPDFファイルは、相手方当事者への送付及び第三者への閲覧にも使用されます。
  • 申請書類、添付書類のPDFファイルは、テキストデータを含む形式で作成します。テキストデータを含まない形式のPDFファイルで提出した場合、別途、特許庁ホームページの「紙原本書面の電子データ提供フォーム」から電子データを提出する必要があります。
  • 「営業秘密」を含む申請書類、添付書類を電子特殊申請で提出する場合、申請書類に「営業秘密の申出をする」旨の記載をし、営業秘密の箇所を墨塗りしていないPDFファイルを提出します。その後、「営業秘密に関する申出書」に営業秘密の箇所に墨塗処理をした申請書類、添付書類のPDFファイルを添付して提出します。
   (4) 証拠書類のPDFファイル
  • 各号証について、PDFファイルの1頁目の右上に「甲/乙第○号証」(枝番がある場合は「甲/乙第○号証の△」)と赤文字で表示します。なお、「正本」の表示はしない(「正本」の記載がされた書面が相手方に届くことになり、正本と副本の区別がつかなくなるおそれがあります)。
  • 電子特殊申請での一回の送信上限は、申請書類1ファイルと添付書類49ファイルです。原則、号証ごとに1つのファイルですが、例えば、「甲第1号証の1」、「甲第1号証の2」のような枝番の証拠をまとめて「甲第1号証」として1つのPDFファイルにすることや、外国語で作成された文書とその翻訳文を1つのPDFファイルとすることも可能です。ファイル数が上限を超える場合には、まず上限の49ファイルを添付し送信し、残りのファイルについては、申請書類として物件提出書を作成し、上限数以下のファイルを送信します。
  • なお、証拠の数が膨大な場合、証拠についてはDVD-Rによる提出も可能。

3.電子特殊申請で提出された書類の相手方への送付

特許庁は、相手方当事者に事前に確認を行い、承諾を得た場合には、電子特殊申請で提出された審判請求書及び証拠書類(PDFファイル)をDVD-Rに記録し、相手方当事者へ送付します。相手方当事者から承諾が得られない場合、特許庁で紙出力された書類が副本として送付されます(この場合、PDFファイルを記録したDVD-Rは送付しません)。