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最新号(VOL.144 – 2022/01/15)

[日本]特許庁:「Accent+」と「アクセントプラス」は、相紛れるおそれのない非類似の商標

 [Newsletter vol. 144]

特許庁は、令和3年12月2日、本願商標「Accent+」と先登録商標「アクセントプラス」との商標の類似性が争われた拒絶査定不服審判において、両商標は類似するとした審査官の査定を取消し、本願商標の登録を認める判断を下しました。[不服2020-16929号審決]


【本願商標】

 株式会社プリズム(愛知県名古屋市)は、2019年5月17日、第20類指定商品「可搬自立式姿見用ミラー,可搬式洋服かけスタンド,可搬式コートかけスタンド,可搬式マガジンラック及びその他の可搬式収納用ラック,可搬式家具」他において、下掲の商標「Accent+」を出願したところ(商願2019-70062号)、特許庁審査官は、『本願商標と引用商標とは、観念においては比較し得ないものの、想起させる意味合いは一致し、外観において差異を有するものであるとしても、「アクセントプラス」の称呼を共通にすることから、これらを総合的に考察すると、互いに類似する商標であって、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは、類似する商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する』として、2020年9月4日付け拒絶査定を発送しました。

【引用商標】

 審査官が本願商標の拒絶引用として挙げた先登録商標は、理研軽金属工業株式会社が2005年2月3日に出願し、第6類指定商品「アルミニウム又はアルミニウム合金の展伸材,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット」において同年10月28日に登録された、文字商標「アクセントプラス」(商標登録第4905182号,存続期間満了日:2025年10月28日)。

特許庁の判断

 特許庁審判官は、本願商標と引用商標との類否(商標法第4条第1項第11号)について、以下のように述べ、両商標は非類似と結論付けました。

  1. 本願商標は、「Accent」の欧文字と「+」の記号を結合した「Accent+」を横書きしてなるところ、本願商標の構成中の「Accent」の欧文字は、「アクセント、強勢」の意味(「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)を有する良く知られた英語であり、「+」は、「加号または正の数の符号。すなわち『+』。」の意味を有する(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店、「プラス」の項。)ものとして使用されている記号であり、これらを結合した「Accent+」は、辞書等に載録されていない語であるから、本願商標は、特定の意味合いを有さない一種の造語と判断するのが相当である。そうすると、本願商標は、その構成文字に相応した「アクセントプラス」の称呼が生じ、特定の観念は生じない
  2. 引用商標は、「アクセントプラス」の片仮名を横書きしてなるところ、「アクセントプラス」は、辞書等に載録されていない語であるから、引用商標は、特定の意味合いを有さない一種の造語と判断するのが相当である。そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「アクセントプラス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
  3. 本願商標と引用商標との類否について 
    • 本願商標と引用商標とは、文字種及び構成文字が明らかに相違するため、外観において、判然と区別し得るものである。なお、引用商標「アクセントプラス」の片仮名を欧文字で表した場合、「Accentplus」と表現されるものと判断し得るものであるところ、本願商標と「Accentplus」の欧文字とを比較しても、「+」記号の有無や構成文字が明らかに相違するため、外観において、判然と区別し得るものといえる。 
      • 本願商標から生じる「アクセントプラス」と引用商標から生じる「アクセントプラス」の称呼は、同一である。 
        • 本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない
  4. 上記によれば、本願商標と引用商標とは、「アクセスプラス」の称呼を同一にするとしても、両商標は、観念において比較できず、これらの外観は、判然と区別し得るものであることからすると、両商標の外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察した場合、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であると判断するのが相当である。
欧文字や記号の読み方を片仮名で表記することが一般的であることを考慮しますと、本件のような文字商標の場合、商標の類否判断において外観を考慮することは、果たして妥当なのでしょうか?このような判断事例が最近目立っており、個人的には違和感を覚えます。

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