[Newsletter vol. 238]
今年、マークス英語ブログサイト「JAPAN TRADEMARK REVIEW」に掲載した日本の商標(法改正、審決・判決等)に関するニュース記事(計51本)の中で、海外からの反響・関心が高かったトップ10をご紹介します。
第1位:江崎グリコ「Pocky」の立体形状、特別顕著性により商標登録(第6951539号)
特許庁は、令和7年7月25日、江崎グリコ株式会社が1966年に発売した人気菓子「ポッキー」の立体的形状について、16~79歳の男女1,036人を対象に行ったアンケート調査の結果(純粋想起:91.6%、助成想起:97.4%)等を踏まえ、第30類指定商品「チョコレート菓子」との関係において特別顕著性を獲得しているとして、商標法第3条第2項の適用により、商標登録を認めました。

第2位:「UNIQLO」vs「UNIPRO」異議申立/異議2023-900278
特許庁は、「UNIQLO」が我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、「UNIPRO」とは、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとして、ユニクロの異議申立てを退けました。

第3位:「STARBUCKS」vs「STARBOSS」無効審判/無効2023-890037
特許庁は、「STARBUCKS」が、請求人役務(コーヒー等の提供)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとしても、「STARBOSS」とは外観・称呼において明瞭に区別でき、観念において比較できないことから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、別異の商標と認められるとして、スターバックス社の無効請求を退けました。

第4位:「STARBUCKS」vs「STARBOSS」、審決取消訴訟/知財高裁令和7年(行ケ)第10036号
知財高裁は、「STARBUCKS」と「STARBOSS」とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても異なり、相紛れるおそれのない非類似の商標であり、「STAB」から始まる語を関連商標として使用していたとか、取引者、需要者において原告との関係を連想させるものとして認識されているなどの事情はうかがわれず、出所混同のおそれもないとして、特許庁の判断を支持する判決を言い渡しました。
第5位:「SONY」vs「SONIMART」無効審判/無効2024-890041
特許庁は、「SONIMART」と「SONY」とは、語頭の「SON」の文字を共通にし、語頭の欧文字又は片仮名から生じる「ソニ」の称呼が共通であることに加え、当該文字は、電気通信機械器具、電子応用機械器具、家庭用テレビゲーム機の分野において周知著名な「SNONY」又は「ソニー」を連想させ、出所混同のおそれがあるとして、「SONIMART」の登録を無効としました。

第6位:「MONSTER ENERGY」vs「POCKET MONSTERS」異議申立/異議2023-9000162
特許庁は、エナジードリンクにおいて「MONSTER ENERGY」が有名だとしても、「POCKET MONSTERS」とは商標非類似として、モンスターエナジーの異議申立てを退けました。
第7位:ヨネックス、青と緑の色商標、拒絶査定不服審判/不服2022-17481
特許庁は、ヨネックスのバドミントン用シャトルコックにおける「青と緑の2色の組み合わせ」について、遅くとも1976年から現在まで継続して使用商品に使用し、市場シェア及び売上も長年極めて高いこと、使用商品の多くにハウスマークの文字が付されるも、色彩の割合が多く顕著な態様で用いられていること、全国のバトミントン経験者に対して行われたアンケート調査において、本願商標に相当する色彩から請求人を関連した回答が6割近いことを踏まえ、当該色の組み合わせは、ヨネックスの出所識別標識として、広く認識されるに至っているとして、商標登録を認めました。

第8位:エルメス「TWILLY」vs「KIMONO TWILLY」異議申立/異議2024-900010
特許庁は、「TWILLY」が仏エルメス社の出所表示として周知になっていることが明らかでなく、「TWILLY」と「KIMONO TWILLY」は観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において明らかな差異を有するものであり、両商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきであるから、両者の類似性の程度は低いとして、エルメス社の異議申立てを退けました。
第9位:Kawasakiグリーン(色商標)、拒絶査定不服審判/不服2022-11189
Kawasakiオートバイの緑色の自他識別力が争われた拒絶査定不服審判において、特許庁は、請求人の業務に係る二輪自動車として、我が国の需要者の間にある程度知られていることを認めつつも、請求人商品の新車販売台数中、本願使用商品の販売台数が占める割合は平均約23.4%で、決して高くないこと、アンケート調査は、普通自動二輪・大型自動二輪免許を保有している男女約1,000人に限定した上、バイク保有者、自動車・バイク業種従事者、あるいは本願商標の色彩を見たことのある者に絞って質問が行われており、客観的な認知度として適切でないこと、請求人以外の者が本願商標の色彩と同系色を二輪自動車の車体等の色彩として多数採択していることを踏まえ、公益性の例外として認められる程度の高度の自他商品識別力を獲得している(独占適応性がある)と認めることができないとして、登録を拒絶しました。

第10位:「TOMMY HILFIGER」vs「TOMTOMMY」異議申立/異議2022-900456
特許庁は、「TOMMY」がトミーヒルフィガー社の出所表示として周知性を獲得している証拠が不十分で、且つ、両商標は、観念について比較できないとしても、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、称呼も容易に聴別することができることから、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとして、トミーヒルフィガー社の異議申立てを退けました。
