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米国連邦巡回控訴裁判所 In re: Forney Industries, Inc事件(2020 USPQ2d 10310)

複数の色からなる色商標について、特別顕著性の要件を問わずとも登録され得る

2020年4月8日、米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は、In re: Forney Industries, Inc事件(2020 USPQ2d 10310)判決において、『商品パッケージに描かれた特徴のある色商標は、需要者に商品の出所を表示する機能を発揮し、本来的識別力を有する』として、米国特許商標庁(USPTO)・商標審判部(TTAB)の審決を覆す判断を下しました。

Forney社は、実際の使用に基づき、商品「溶接・機械加工用工具」を指定して、商標の説明欄に「本願商標は、上部に描かれた黒色の横線、その下には、赤色に溶け込んでいく黄色からなり、これらの色は、商品パッケージ又はラベルに描かれる」として、上掲の色商標(color mark)を出願しました。

TTABは、Qualitex最高裁判決において、「商品自体の色商標」と「商品パッケージの色商標」とを最高裁は区別しておらず、いずれの登録にも特別顕著性(secondary meaning)が必要との見解に基づき、『商品パッケージに使用される複数の色のみからなる色商標は、本来的識別力が認められない』として、登録を拒絶しました。

しかし、CAFCは、TTABが、(1) 商品自体のデザインか商品パッケージのデザインかを区別することなく、トレードドレスに係る色商標であれば、本来的識別力を有さない、(2)商品パッケージに描かれた色商標は、周囲形状や外郭線が明確に特定されたものでなければ、本来的識別力を有するとは認められない、と結論付けたのは誤りだと指摘しました。

CAFCは、商品パッケージに描かれた複数の色からなる色商標(multi-color mark)が本来的識別力を有するか否かについて、最高裁は直接言及しておらず、『商標としての色の使用が禁止されるようなルールはなく、Qualitex判決は、色商標が保護されるには、特別顕著性の立証が必要な場合があることを示唆したに過ぎない。』と述べ、Forney社の商標は、出所識別機能を発揮し得る商標に属するものであり、商品パッケージに描かれた色商標は本来的識別力が認められないとのTTABの結論は最高裁判決をもってしても受け入れたられない、と判断しました。このため、TTABは、色商標であれば本来的識別力が認められないと一刀両断的に判断するのではなく、裁判所が示した判断基準に即し、Forneyの色商標に対する本来的識別力について、検証すべきであった、と述べました。

また、『色商標は、周囲形状や外郭線が明確に特定されたものでなければ、本来的識別力を有するとは認められない』とのTTABの判断に対して、CAFCは、少なくとも、商品パッケージに描かれた色商標が複数の色からなる場合には、本来的識別力が認められないとの判断は誤りであり、『複数の色からなる色商標に本来的識別力が認められるには、特定の周囲形状を伴っていなければならない』とのTTABの判断も間違いである、と結論づけました。

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