[Newsletter vol. 205]
知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報、特許庁の取組等を取りまとめた「特許行政年次報告書2024」が公表されました。商標に関する主な内容は、以下のとおりです。
1.昨年(2023年)の商標出願件数は前年比3.6％減の164,061 件
内訳は、国際商標登録出願 件数が前年比12%減の17,397 件、直接出願件数が同2.5%減の1476,664 件。
2.近年の審査期間の長期化傾向を阻止すべく、審査の体制強化・効率化に取り組むも、昨年の商標出願に係る特許庁の審査期間は、一昨年に比べ、やや長期化。平均FA期間：2021年8.0ヵ月、2022年5.4ヵ月に対し、2023年は6.1ヵ月。
3.マドリッド協定議定書(マドプロ)を用いた海外への商標登録出願件数は、前年比8%減の2,844件
4.日本への商標登録出願の内国人：外国人の比率は、74.5%：25.5%。外国人出願比率は2020年以降、25%前後を推移。
5.日本人による外国への商標出願件数は、2022年に比べ、対米国が0.4%増、対EUIPOが13.1%減、対韓国が19%大幅減。（※対中国は未公表）
6.日本人によるマドプロを用いた指定国別出願件数は、1位：米国(1,644件)、2位：中国(1,467件)、3位：EUIPO(1,354件)。
7.昨年(2023年)の外国人による日本への商標出願件数は、前年比6.8%減の41,848件
中国からの出願が前年比3.7%減の14,536件、韓国から前年比7.4%増、欧州から前年比13.3%減、米国から前年比15.5%減。
8.主要国・機関別の商標出願件数(2023年)は、中国(約752万件)、米国(約55万件)、韓国(約26万件)、EU(約18万件)。
9.商標の審判事件の平均審理期間(2023年)は、拒絶査定不服審判：10.7ヵ月、無効審判：12.3ヵ月、異議申立：9.4ヵ月、取消審判：7.0ヵ月となっており、全体的に長期化の傾向。
10.商標の審判の結果、請求(申立て)が認められる勝率(2023年)は、拒絶査定不服審判：51.8%、異議申立：9.4%、取消及び無効審判：85.6%。
11.商標に関する審決(決定)取消裁判の判決件数(2023年)は、査定系審判が26件(取消成功率：7.7%)、当事者系審判が11件(取消成功率：45.5%)、異議申立は1件(取消成功率：0%)でした。
12.日本への商標出願において、「早期審査」の申出件数は、2021年まで増加していたが、一昨年から減少傾向。昨年は前年比17.2%の大幅減。
2019年：8,110件、2020年：11,204件、2021年：11,450件、2022年：9,101件、2023年：7,532件。
13.特許庁の商標審査官の定員は、過去5年間で25%増員（2018年度：140人、2023年度：173人）
14.2023年に現存する国内商標権(マドプロ含む)は前年比2%増の2,224,365件。外国人所有割合は21.9%。
15.昨年出願された新しいタイプの商標出願は84件（音：21件、動き：20件、位置：32件、色：11件、ホログラム：0件）。
上記の図表は、「特許行政年次報告書2024」より抜粋、引用しています。
詳細につきましては、こちらからご覧ください。