[Newsletter vol. 157]
知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報、特許庁の取組等を取りまとめた「特許行政年次報告書2022」が公表されました。商標に関する主な内容は、以下のとおりです。
1.昨年(2021年)の商標出願件数は前年比2%増の184,631 件
国際商標登録出願件数が前年比12.1%増の20,094 件、直接出願件数が同0.9%増の164,537 件。
2.近年の審査期間の長期化傾向を阻止すべく、審査の体制強化・効率化取り組み、商標出願に係る特許庁の審査期間が、昨年は大幅に短縮。
平均FA期間は、2019年:9.9ヵ月、2020年:10.0ヵ月に対し、2021年:8.0ヵ月。
3.マドリッド協定議定書(マドプロ)を用いた海外への商標登録出願件数は、前年比5.4%増の3,196件
4.日本への商標登録出願の内国人:外国人の比率は、72%:28%。
外国人出願比率は2016年以降、年々高まっている。
5.日本人による外国への商標出願件数は、2020年に比べ、対米国が8%減、対EUIPOが2%減、対韓国が5.1%減。(※対中国は未公表)
6.昨年(2021年)の外国人による日本への商標出願件数は、前年比13%増の51,622件
中国からの出願が前年比11.4%増の20,255件、韓国から前年比24.9%増、欧州から前年比6.7%増、米国から前年比19.6%増。
7.主要国・機関別の商標出願件数(2021年)は、中国(約935万件)、米国(約66万件)、韓国(約26万件)、EU(約18万件)。
8.商標の審判事件の平均審理期間(2021年)は、拒絶査定不服審判:9.2ヵ月、無効審判:11.5ヵ月、異議申立:7.9ヵ月、取消審判:8.7ヵ月となっており、全体的にやや短期化の傾向。
9.商標の審判・異議の結果、請求(申立て)が認められる勝率(2021年)は、拒絶査定不服審判:81.6%、異議申立:6.5%、取消及び無効審判:81.7%。
10.商標に関する審決(決定)取消裁判の判決件数(2021年)
査定系審判が11件(取消成功率:18.2%)、当事者系審判が35件(取消成功率:28.6%)、異議申立は0件。
11.商標出願の「早期審査」申出件数が、堅調に年々増加。
2018年:5,278件、2019年:8,110件、2020年:11,204件、2021 年:11,450件。
[出典:特許行政年次報告書2022]