知財高裁(日本):「エバラ焼肉のたれ容器形状」位置商標事件

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[Newsletter vol.119]

知的財産高等裁判所は、12月15日、「エバラ焼肉のたれ」でお馴染みのエバラ食品工業株式会社が出願した、当該商品の容器の表面に付された連続する縦長の菱形形状(ダイヤカット)に係る位置商標(商願2015-47397)について、以下のように述べ、本願商標は第30類「焼肉のたれ」との関係において自他識別力を欠いており、また、長年の使用実績による特別顕著性も認められないとの特許庁の判断を支持し、本願位置商標の登録を拒絶する判断を下しました。

  1. 焼肉のたれの包装容器の上部又は下部の表面に,連続する縦長の菱形形状を付すことは,取引上普通に採択,使用されているものと認められる。そして,その上又は下に,商品名等を目立つ態様で表示したラベルが貼付されていること等からすれば,菱形形状も,機能や美観の観点から採用されているものと推認される。原告自身,「『黄金の味』の容器の特徴であるダイヤモンドカットは,香水やブランデーのボトルのような『高級感』『見栄の良さ』を意識したデザイン性と,ダイヤモンドカットのビンの耐衝撃性・耐久性に優れている点を重視して,採用されました。」と述べており,本願商標を構成する形状について,包装容器の機能や美観に資するものであると説明していたものと認められる。
  2. 縦長の菱形の立体的形状の位置は,包装容器の上部又は下部が一般的である上に,その形状に,格別に斬新な特徴があるとまではいえないことからすると,本願商標を構成する立体的形状及びそれを付す位置は,需要者及び取引者において,商品の機能又は美観上の理由により採用されたものと予測し得る範囲のものであると認められる。そうすると,本願商標は,同種の商品が,その機能又は美観上の理由から採用すると予測される範囲のものであり,その範囲を超えた形状であると認めるに足りる特段の事情は存在しない。したがって,本願商標は,商品の包装の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である
  3. 需要者は,ラベルの「エバラ」や「黄金の味」の標章部分に着目するものと認められる。ラベルに記載された標章や文字が需要者に強い印象を与え,出所識別機能を果たしておりラベルが強い印象を与える反面でラベル以外の出所を表示する標識としては認識されにくい状況にあることからすると,本願商標使用商品において,本願商標を構成する立体的形状が出所を識別させる標識として認識されるとは認められない
  4. アンケートにおいて,「エバラ焼肉のたれ 黄金の味」という商品であると回答したものが相当程度いたとしても,容器全体から受ける印象によって識別した可能性が相当程度あり,また,本願商標使用商品の容器と同様に全高が高く,なおかつ包装容器の表面に立体的形状による装飾を付したもの又は包装容器の表面に付す立体的装飾の一類型として連続する立体的な菱形形状を用いたものとの関係で本願商標を構成する立体的形状に識別力があることは立証されておらず,アンケート結果は,本願商標に識別機能があることを立証するものとは認められない

判決全文は、こちらをご覧ください。

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